今週のお題「お弁当」
「お弁当」といえば、お弁当の「宅配業者」って切り口もあるよね。
コロナ過で飲食店がお弁当販売を強いられ、それに伴い宅配需要が急増したことで一気に注目を集めたのが、ウーバーイーツや出前館に代表されるフードデリバリー業者だった。
僕もコロナ過にフリーランスとして独立後しばらくは、ウーバーイーツ&出前館の掛け持ちで配達員をしたことがあった。
本業のエンジニアとしての収入が翌々月末の振り込みで、また諸事情で金銭的に余裕がなかったというのが理由。
フードデリバリーは、働いてから収入が入るまでが1~2週間と短く、即金性が高いところが当時の僕の状況にピッタリだった。
またアルバイトと違いシフトがなく、自分の完全裁量で稼働できるところが、副業にも向いていた。
そしてちょっとだけ「やってみたかった」というのもあった。
今回はそんなフードデリバリー配達員の体験エピソードをいくつかピックアップして紹介する。
目次
当時(2022年)の僕の配達状況
はじめに、当時の僕の配達状況を簡単に書いておこう。
- ウーバーイーツと出前館の二刀流
- 稼働地域は東京23区内
- 電動自転車を使用
- 稼働期間はGW期間を含む約3か月
- 土日祝日のみ稼働
- 1日8~10時間ほど稼働
これで1日の平均時給1200円~1600円くらいだった(結構変動する)。
体験エピソード10選
それでは早速、体験エピソードを紹介していこう。
1.ちはやふる
当時の出前館の配達依頼受諾システムは花札だった。
配達依頼が入るとお店近くにいる配達員のスマホアプリに一斉に通知が入る。
配達員はその通知画面をタップして配達依頼を受諾するわけだが、その際、一番早く通知画面をタップした配達員が受諾できる。
しかし、やみくもに連打すればいいという単純なゲームではなかった。
花札に「お手つき」があるように、配達依頼を誤って受諾すると遠くに飛ばされることがあるからだ。
つまり次の情報から受諾すべきかを、できる限り早く判断する必要があった。
- 自分の現在地
- 新規配達の受取先(お店)の住所
- 新規配達の配達先の住所
- 新規配達の配達完了希望時刻
- 受諾済み未配達の受取先(お店)の住所
- 受諾済み未配達の配達先の住所
- 受諾済み未配達の配達完了希望時刻
これが、ながら運転や事故の原因にもなっていた。
一方で、このシステムのお陰で一部のベテラン配達員の中には当時月100万とか稼いでいる猛者もいたらしい。
僕自身もこのシステムを攻略するために、暇さえあれば下記サイトのような地図情報を見て暗記していた。
今はこの「早押しシステム」は廃止になり、配達員の現在地から配達依頼が割り振られる「自動差配システム」になったとのこと。
2.タワマンからの挑戦状
配達先がタワマンの場合、コスパが非常に悪かった。
- 行き帰りに防災センターに寄って入退館の手続きをしないといけない
- タワマンの入り口が複数あり、該当する入り口を探さないといけない
- 防災センターから該当するタワマン入り口までまぁまぁ距離がある
- エレベーターに乗るまでに2~3回ベルを鳴らして入館許可してもらわないといけない
- 広すぎて「自転車どこ停めたっけ?」ってなる
そして極めつきの「エレベーター降りてこない問題」。
業者は住人が使うエレベーターは基本的に使えない。
業者専用のエレベーター(大抵ひとつしかない)を使う必要があった。
それを探すのに時間かかるし、こういったタワマンは40~60階建てとかだったりするので、エレベータが降りてくるまでものすごい時間がかかった。
とにかく配達完了まで無駄に時間がかかった記憶しかない。
なので配達先住所の下の方が、タワマンの多そうな「西〇宿」とか「赤〇」だったら取らないようにしていた。
タワマンへの配達が遅いのはこういう事情があったのだ。
将来的に配送ロボット(例えば、タワマン入り口から部屋まで自動配送するロボット)が導入されればこの問題は解決するだろう。
3.ベテラン配達員からの挑戦状
ベテラン配達員が休憩中に注文を入れてくることがあった。
配達中もちょくちょくチャット機能で連絡(ほとんど雑談)入れてくる。
うっとうしいw
届けに行くと「あの店、場所分かりづらかったでしょ~」と。
あーなるほど。
自分が以前配達して気になったお店をチェックしていて、休憩中とかに自分で注文入れてたわけだ。
そうすることで「フードデリバリーサービスの利用者側からどう見えているのか」も確認できる。
まさにプロのカガミ!
でもこういう人ってケチだから、チップはくれなかったりする(チップ機能も使ってみようよw)
4.上野駅前横転事件
雨の日の電動自転車での配達は非常に危険だ。
ブレーキをかけたときのタイヤがスリップする感じ。
ズサーc⌒っ゚Д゚)っ
僕はこんなマンガみたいに横転したことがある、駅前で。
後ろに積んでいた配達用バック(通称ウバック)がサイコロみたいに転がっていったのを今でも覚えている。
あまりにも派手に横転したんで軽く人だかりができた。
ハズカチー(*ノωノ)
車の大通りだったら死んでたのかな、、
あのとき手を貸してくれたギャルのお姉さんたち、ありがとう~!!
雨天時は需要が増すので稼ぎどきではあるけど、自分の安全が一番。
それ以来、雨天時は稼働していない。
5.ラッシーをくれるインド料理屋
インド料理屋の配達依頼が入ることがある。
まぁお店は大体いつも同じなんだけど。
店内で料理ができるのを待つ間、ラッシー(チャイの場合もあるらしい)をくれることがあった。
「料理できるまで時間かかるけど、ごめんねぇ」って意味である。
ピーク時間帯じゃなければ有難いんだけどね。
普通においしそうだったし、今度は客として行ってみようかな。
6.「あ、ウーバーイーツだ~!!」
フードデリバリー配達員はいつも子供たちのヒーローだった。
単に奇異なものに反応してただけかもしれないけどw
7.ゴーストレストランの存在
配達員やるまで知らなかった、デリバリー専門店(ゴーストレストラン)の存在。
ゴーストレストランとは?
実店舗を持たず、デリバリーによる販売が中心のゴーストレストラン。
シェアキッチンなどを間借りして調理を行い、デリバリーサービスを行うサイトやアプリを介して注文を受け、配達するシステムだ。
実店舗を持たず、見えない存在であることからゴースト(幽霊)と称される。
飲食店の新しいカタチ!「ゴーストレストラン」とは?しくみやメリット・デメリットを解説 | 飲食店ドットコム ジャーナル
上記サイトの説明通り、実際に行ってみるとキッチンしかなく、また1つのキッチンが複数の店の顔を持ってたりする。
場所も住宅街の中とか、オフィス街の狭い路地裏の奥の方とか、実店舗だと場所が悪すぎて客来ないだろうな~ってところにある。
その分、賃貸費用も安いということだろう(とはいえ、配達員は確保しないといけないから都心部にある)。
たしかに僕も飲食店やるなら、ゴーストレストランから小さく始めるかな~
8.長時間配達した後のご飯がうまい
電動自転車とはいえ、何時間も稼働するとめちゃくちゃ体力使う。
僕はピーク時間過ぎの15時くらいに、松屋とかに入ってたけど「あれ、松屋の牛めしってこんなにうまかったっけ?」ってなる。
配達が忙しく飯屋に入る余裕がないときは、配達の合間にコンビニの菓子パン食べてた。
これがめっちゃ、しみる。
身体動かした後に食べるご飯は最高だよ。
9.ダブルキャップ事件
ウーバーイーツと出前館を併用しているとたまに起きる問題。
ウーバーイーツ配達員は店舗での商品受け取り時と、商品受け渡し時に黒のキャップを着用しなければならないというルールがあった。
一方の出前館は専用の赤いキャップの着用を義務付けられていた。
なので、出前館として配達依頼を受諾したときは「黒のキャップの上に赤いキャップをかぶる」という着用スタイルで商品の受け渡しを対応していた。
たまにこのことを忘れて、赤いキャップを上にしたまま「ウーバーイーツでーす」って言って店舗側のスタッフを混乱させてしまうことがあった。
反省、、
10.特殊な配達先たち
「3.ベテラン配達員からの挑戦状」のところでもちょっと書いたけど、配達先は必ずしも戸建てやアパート、マンションだけとは限らない。
実際にあった特殊な配達先として、次のような場所があった。
マンガ喫茶
「近くまで着たら電話ください~取りに行くので~」スタイル。
会社のオフィスビルの場合もある。
大学敷地内
Googleマップのナビが対応していないので、手探りで目的地を探すことになる。
住所がまったく同じ複数の家
あれ、住所ここのはずだけど、お届け先の名前と表札が一致しない・・・ってなる。
周囲を建物でびっしり囲まれたボロアパート
どっから入ればいいんだよ・・・
まぁ配達先を探して苦労した経験から土地勘みたいなものも身に着くわけで、悪いことばかりでもない。
おわりに
以上、フードデリバリー体験談でした。
正直、交通事故のリスク負ってまでやることなのかってのはある。
とはいえ即金性が高いので、フリーランスの人はもしもの場合のセーフティネットとして頭の片隅に入れておくといいかも。
もしくはガチで稼ごうとするのではなく、運動不足解消やダイエット目的などで、ゆるく楽しんでやるといいかもね。
最後まで読んでくれてありがとう!
ばいちむ
このスポこん魂、ベテラン配達員に通じるところがある。
原作はこっち。
むかし、新卒時代の同期(男)に勧められて読んだな~